南北に細長いイタリアは食文化も地域色豊か。地中海に囲まれた温暖な南イタリアの特徴は、オリーブ、トマト、魚介など。陽気な“マンマ”の家庭料理を、ぜひお試しあれ。

>シチリア風魚介のスープとクスクス

アフリカ発祥のクスクスは世界最小のパスタ。海を渡ったシチリア最西端の街・トラーパニでは、豊富に獲れる魚介を使ったスープ(ズッパ・ディ・ペッシェ)をかけながらいただきます。新鮮な魚介の旨味をたっぷり吸ったクスクスは後を引くおいしさです。

  1. 鯛は内臓とエラを取り、よく洗って水気をペーパーでふく。
  2. 玉ねぎは粗いみじん切りにし、セロリは筋を取り、葉も一緒に粗いみじん切りにする。
  3. 鍋につぶしたにんにくとオリーブオイルを入れ、中火にかける。香りが立ったら①と②、みじん切りしたドライトマトを入れて鯛に火が通るまで炒める。
  4. 白ワイン、ざく切りにしたトマト、冷水、有頭エビを加える。ひと煮立ちしたらアクを取って弱火にし、エビを取り出して頭だけ戻し入れ、蓋をして約40分煮る。
  5. ④をザルで漉し、煮汁を鍋に戻して塩で味を調え、あればタイムを加える。
  6. クスクスはAを加えてひと混ぜし、アルミホイルを被せて10分ほど置く。
  7. ⑤と⑥をそれぞれ器にのせ、④で頭を取ったエビを添える。タイムなどのフレッシュハーブ(分量外)を飾ると彩りも鮮やか。

「クスクス」は、お鍋を使わない簡単パスタ!? 「クスクス」は、お鍋を使わない簡単パスタ!?

>タコとじゃがいものケッパーマリネ

海に囲まれた立地から、西欧では珍しく古くからタコを食べていた南イタリア。じゃがいもは大航海時代に南米から伝来したそうです。以来、プリプリとホクホクの食感は、定番の組み合わせに。レモンの酸味とケッパーの塩味がアクセントです。

  1. タコは水洗いし、水気をペーパーでふいて薄切りにする。
  2. じゃがいもは6 等分に切り、鍋に入れ、かぶるくらいの水を入れて中火にかける。
  3. ②が煮立ったら弱火にし、約12分茹でてじゃがいもが柔らかくなったら湯を切り、再び弱火にかけて水分をとばす。
  4. ケッパーは塩を洗い流し、ペーパーで水気をふき、③に加えて混ぜる。
  5. じゃがいもの粗熱が取れたら、①とレモン汁、オリーブオイルを加えてなじませ、塩、こしょうで味を調えてお皿に盛る。お好みでレモン(分量外)を添える。